専門家のみなさまへ

依存症の治療に関わる専門家のみなさま、こんにちは。この文章は専門家や医師、ケースワーカーやスタッフ、教師、技術者や公務員の方々、また、薬物やアルコール依存症者のために活動をしていらっしゃるみなさまに、群馬ダルクの治療法を理解していただくために作成したものです。この手紙のなかで使用されている言葉は専門用語であったり、日本では聞き慣れない言葉であるかもしれませんが、世界的に共通している言葉ですので、あえてその表現を使わせていただきます。 我々の施設(ハウス)は、「セラプューティク・コミュニティー」(治療生活共同体)をモデルとしています。グループとしての「ダイナミックス」(関連性)は、非常に大切なものであり、スタッフ、入寮者達はともに、「プロセス」(団体生活の進行)に参加します。 第一第二段階の入寮者は、世界的にあらゆるトリートメントや回復に関する資材や技術を提供している先駆者、ヘーゼルデン・ファンデーションの「ビヘービアル・セラピー」(行動修正に関するセラピー)を活用し、グループ活動をしていきます。この時期に向き合う感情や思考は様々です。怒り、不安や心配、うつ、悲嘆、罪悪感、自尊心、羞恥心、完璧主義や理解力等があげられます。小冊子、ワークブック、テキスト、また、ビデオ・オーディオのカセット、トリートメント(治療)のガイドブックを使用した優れたプログラムは、1950年代から現在まで、アメリカで使用されています。何人もの依存症者達が回復の道を歩み始め、その実例により、このプログラムが「効く」という事が証明され続けております。

第三第四段階に入ると、入寮者は、「リヴィング・イン・バランス」(バランスの保った生活)と「ライフ・スキルズ・トレイニング」(生活に必要な能力と技術)を使った治療プログラムをはじめます。「リビング・イン・バランス」は入寮者が実際に社会で直面するであろう状況を考え、正しい判断や対応の仕方を教育するものです。「ライフ・スキルズ・トレイニング」はシンプルなプログラムです。基本的な能力として、まず、1ヶ月から3〜4ヶ月単位、次に年単位での生活費管理を行ってもらいます。どこで国民年金を払うか、年末にどのように源泉徴収を提出すればよいか等も学んでいきます。すでに経験済みの仲間から学び、自ら現実に立ち向かっていけるよう、お互いを支えていきます。

この治療とリハビリのプログラムは、ナルコティクスアノニマスやアルコホリックスアノニマス等の12ステップ自助グループが提供する「回復」のプログラムと一緒に使用されて、初めて効果があります。生涯の回復プログラムは希望をもたらします。社会復帰に成功したメンバーや他の施設の入寮者との交流を深め、経験を分かち合います。依存症者には、同じ経験をした者との「分ち合い」が最上の治療法だからです。

このような「セラプューティク・コミュニティー」や「ビヘービアル・セラピー」は、まだ日本に浸透していません。病院の医師や政府機関の協力により、初めて日本にいる全ての依存症者達に最も優れているトリートメントができます。どうぞみなさまのご理解とご支援、宜しくお願いいたします。

群馬ダルクの入寮者に限らず、回復を求める全ての依存症者に最善のケアが行き渡るよう、みなさまからのご意見もお待ちしております。みなさまのご支援、献金、よろしくお願いいたします。このパンフレットを読んでいただきましたことを、心から感謝申し上げます。お問い合わせ等ありましたら、平日の午前10時から午後4時まで受け付けております。よろしくお願いいたします。

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